食事摂取基準118 炭水化物1

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から炭水化物の「基本的事項」を紹介します。

〔基本的事項〕
炭水化物(carbohydrate)は、細分類(特に、糖質・多糖類の別、多糖類はさらにでんぷんと非でんぷん性多糖類の別)によって栄養学的意義は異なります。

日本食品標準成分表2020年版(八訂)では炭水化物成分表の充実が図られ、細分類ごとの摂取量を推定できる条件が整いつつあります。
一方、食物繊維については従来のプロスキー変法ではなく、AOAC.2011.25法を用いて測定した成分値が多く収載されました。

プロスキー変法とAOAC.2011.25法では測定している食物繊維の範囲が異なり、食品によっては日本食品標準成分表2015年版(七訂)と日本食品標準成分表2020年版(八訂)との間で食物繊維含有量が大きく異なります。

また、いまだプロスキー変法による測定値のみが示されている食品も多く、食物繊維のうちどの物質が測定されているのかは食品ごとに異なる状態になっています。

こういった現状を踏まえた上で、ここでは総炭水化物と食物繊維について、その栄養素的意義と食事摂取基準としての指標とその値について記します。

また、糖類(単糖類、二糖類)については、諸外国・組織において推奨される摂取量が定められている場合が多く、日本における現状と課題を記します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕