金言の真理22「足るを知る」1

人間の欲望には限りがないようで、もっと欲しい、もっと持ちたい、買えるだけ買いたいという願いを話す人は、いくらでもいます。さすがに食べられるだけ食べたいという人はいないはずですが(大食いタレントは別にして)、もっと美味しいものを食べたい、もっと高いものを食べたいという人には、何人にも会ったことがあります。

今回のお題の「足るを知る」は、自分の置かれた状況や持っているものに満足をして、それ以上のものを求めない心のあり方を指しています。
余計なものは何も持たない、できる限り減らすという、行き過ぎたミニマリズム、断捨離とは違っています。

身分相応に満足を知るということを知るという意味であって、現在の状態で足りているということを知って、それ以上を求めないようにするということを意味しています。

似たような感覚で「分をわきまえる」という言葉が使われることがあるのですが、これとは少し違っています。

分(ぶ)は自分の地位や身の程のことで、それを知って、出過ぎたことをしないようにするということを意味しています。身の程をわきまえると表現されることもあります。

いわゆる“身の程知らず”のことで、自分の能力や限界などをわきまえずに、過度の自信を持ったり、実力に見合わない言動をすることを指しています。分不相応な高望みということですが、この場合の分は「ぶん」と読みます。

これに対して、「足るを知る」は満足することを知るということで、知るべき事柄が異なっています。

「足るを知る」は、中国の思想家・老子が書いた(とされる)『道徳教』の一説の「知足者富」が起源(発祥)として知られています。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕