「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から指標設定の基本的な考え方の「糖類」を紹介します。
〔糖類〕
単糖と二糖類、すなわち糖類は、その過剰摂取がエネルギー過剰摂取や齲歯(うし)の原因になることは広く知られています。
糖類摂取量と肥満の関連を検討した30の無作為化比較試験と38のコホート研究をまとめたメタ・アナリシスでは、free sugar(遊離糖類)と加糖飲料摂取量は多いことと体重増加の関連を報告しており、それはエネルギー摂取量の違いを介したものであったとしています。
13万人以上の米国成人を対象としたコホート研究では、added sugar(添加糖類)の摂取量が100g/日を増えると、4年間で0.9kg体重が増えると報告しています。
糖類摂取量の代理指標として加糖飲料の体重への影響を検討した報告も多く、コホート研究と無作為化比較試験の報告を計85本まとめたメタ・アナリシスでは、小児でも成人でも加糖飲料摂取量と体重には正の直線関係があることが示されています。
糖類摂取量と糖尿病の関連も多く検討されています。added sugarの主要な摂取源としての加糖飲料摂取量と慢性疾患の関連をまとめたレビューでは、加糖飲料摂取量と2型糖尿病発症の間には正の関連があるとしています。
また、糖類摂取量と2型糖尿病が関連するメカニズムについては、エネルギー摂取量を介さない別の代謝経路も関連すると考えられています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕