食事摂取基準130 炭水化物13

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から食物繊維の「測定法の変化を踏まえた目標量の捉え方」を紹介します。

〔測定法の変化を踏まえた目標量の捉え方〕
食物繊維は、その定義が定まっていません。

測定法の進歩によって測定可能な物質が増加するに従って、食物繊維の枠に含まれる物質は増えています。

日本食品標準成分表(七訂)では、食物繊維はプロスキー変法で測定されており、この方法で測定されるのは高分子量水溶性食物繊維と不溶性食物繊維でした。

日本食品標準成分表(八訂)では多くの食品の食物繊維成分値の測定にAOAC.2011.25法が採用されました。

この方法では従来の(プロスキー変法による)食物繊維に加え、低分子量水溶性食物繊維と難消化性でん粉も測定されるため、AOAC.2011.25法の用いられた多くの食品において食物繊維の成分値がかなり高くなっています。

例えば、食品番号1088「こめ[水稲めし]精白米 うるち米」の食物繊維の成分値は、日本食品標準成分表(七訂)では0.3g(可食部100g当たり)、日本食品標準成分表(八訂)では1.5g(同)です。

食品番号1085「こめ[水稲めし]玄米」の食物繊維の成分値は、日本食品標準成分表の改定前後で測定法が変わっていないため、七訂でも八訂でも1.4g(同)です。

食品番号1026「こむぎ[パン類]食パン」(八訂では「こむぎ[パン類]角形食パン 食パン」)の食物繊維成分値は七訂では2.3g(同)、八訂では4.2g(同)です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕