脚光というのは、下から脚を照らす照明のことです。脚は足と表現されることもありますが、脚は足首から太ももの付け根(関節)までを指しています。これに対して足は、足首から下の部分のことで、つま先から足首を指すこともあります。
舞台の前面の床から歌手や俳優などを照らす光線(照明)は、業界ではフットライトと呼ばれています。足首から下の靴で隠れる部分にだけ照明を当てることは、あまりないのですが、フット(foot)は足、レッグ(leg)は脚を指しているので、フットライトという名称には違和感があります。
脚光の意味がわかると、「脚光を浴びる」という言葉が正しいことがわかってくるのですが、なぜか「脚光を集める」という言葉が使われることがあります。
脚光を浴びるというのは、注目を集めることを意味していて、周囲の人の視線を集める、注目を集めることを指しています。この“集める”という意味が「脚光を集める」と誤って使われるようになったというのが大方の考えです。
脚を除いた「光を集める」は光を一か所に集中させることで、凸レンズや凹面鏡を使うことで光の方向を変えて、一点に集中させることができます。この光を集めた結果として当てられる光はスポットライトです。
足元から脚に光を当てられる(フットライト)よりも、光を集めて姿を浮かび上がらせる(スポットライト)ほうが、光を当てられる人としては気分がよいことです。そんな感覚が、「脚光を集める」という誤用を、受け入れてしまうところがある、というのは考えすぎでしょうか。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕