時間を大事にする人は、打ち合わせの開始時間も終了時間も明確に示して、その中で最大限の効果を得ようと考えます。
前回の話で取り上げたグループ企業の経営者は、他人の時間を使わせることをしても、時間をかけて準備した人の時間を無駄にさせるようなことはしていなかったと認識しています。
自分の都合で勝手に切り上げるようなことはありません。これは勝手に切り上げても構わないと周囲が認識している遊びであれば仕方がないことで、その例の一つの経営者の麻雀については次回に紹介します。
忙しい経営者との面談では長くても1時間が常識とされていて、2時間の打ち合わせというのは1対1(もしくは1対1にプラス1)という完全対面では、かなりの重要度がある内容です。
何回かの打ち合わせを経て、その後に2時間をかけて、じっくりと話をして、最後の結論を出そうという重要な会議でのこと。相手の特性を考慮して2時間の配分をして、それに対応できるように、それなりの準備をしていたのに、1時間で切り上げられたら充分な成果があげられなくなります。
その打ち合わせだけのことではなくて、それまで積み上げてきたことも無にしてしまうようなことで、「時間塾」のテーマに合わせて言うなら、他の人の時間を大切にしない、その時間を使って準備をした人のことを大切にしない行為ということになります。
1時間で切り上げることを事前に伝えることもなく(話の始まりでもメールなどの通信でも方法はいくらでもあるのですが)、私が経験した人の言い分は数日前に別の仕事を入れたということでしたが、それを機会に急に話が進まなくなりました。
これでは、積み上げてきた時間だけでなく、そこから先の準備をするための時間も無駄にさせることです。そのことを切り上げた本人はわかっていなくて、「自分の期間が無駄になった」というようなことを周囲に話していたことを後になって聞きました。
そのときに思い浮かべたのは、「足を踏んだ人に、踏まれた人の痛みはわからない」という言葉でした。
そして、今も思うのは、「足を踏んだ人はすぐに忘れても、踏まれた人は忘れない」という言葉です。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕