負の歴史8 一般社団法人の負の経験

一般社団法人は、会社と公益団体の両方に使える法人形態ですが、その両方をしなければならないということではありません。公益活動100%にすることもできれば、会社と変わらない収益100%とすることもできます。

この違いは、定款の内容によって決まってくるのですが、わざわざ公益100%、収益100%と書くことはなくて、たった1行の記載を加えることで済ませることができます。

これについては定款作成のノウハウが必要で、それを持ち得ているので、定款作成のサポート、一般社団法人の役員になって支援することの依頼を受けることが多くありました。

公益事業のための一般社団法人が、収益活動をしてはいけないということはなくて、法人を維持するためには、たとえ役員に報酬が支払われない形であっても、経費はかかります。一般社団法人を設立するためには、絶対に必要な手続きだけでも12万円ほどは必要です。

手続きを司法書士に依頼する場合には、その費用が別にかかるのは当然のことです。

初期経費を捻出するために、会費を設けるのは普通のことで、会費を支払ってもらうのは法人が設立されてからのことになるので、誰か(一般的には代表理事)が立て替えておくというのは普通にあることです。

私が設立と運営に関わった一般社団法人の一つは、代表理事が立て替えをしなくて、代表の家族が立て替えをしたのですが、設立後に役員でもない家族が法人の活動に口出しをしてきて、大混乱を起こしたことがあります。

その大混乱の末に、法人は解散せずに残ったのですが、重要な役員(私を含めて数名)が離れることになりました。その口出しをする理由が、本人に言わせると「私が設立の費用を出したのだから私の法人」ということでした。

立て替えられた設立費用は会費から返還したにも関わらず、それでも「設立費用を出したのだから」との主張は変わらず、目的とした活動ができなくなってしまった“負の出来事”でした。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕