「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中からエネルギー産生栄養素バランスの「エネルギー換算係数」を紹介します。
〔エネルギー換算係数〕
たんぱく質、脂質、炭水化物のエネルギー換算係数(それぞれの栄養素が単位重量当たりに産生するエネルギー量)は、Atwater係数(たんぱく質、脂質、炭水化物それぞれ、4kcal/g、9kcal/g、4kcal/g)を用います。
この数値は概数であり、たんぱく質、脂質、炭水化物それぞれについて、その構成成分となっているアミノ酸、脂肪酸、糖などの種類は問いません。本来は食品ごとにわずかに異なるものの、あくまでもまとめた数値であることに留意します。
食物繊維が産生するエネルギー量は0〜2kcal/gと考えられています。
また、日本食品標準成分表2020年版(八訂)において、食物繊維のエネルギー換算係数は測定法によらず2kcal/gが適用されています。
食事摂取基準においては、現状日本人において炭水化物摂取量に占める食物繊維摂取量は5%程度(重量比)であるため、活用の利便性や実践可能性の観点を考慮して、炭水化物に食物繊維も含むこととして、そのエネルギー換算係数には4kcal/gを用いることとしました。
しかし、これは食物繊維を除いた炭水化物と食物繊維を用いてエネルギー算出する場合において、食物繊維に2kcal/gのエネルギー換算係数を使用することを否定するものではありません。また、アルコールのエネルギー換算係数は7kcal/gとしました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕