メディアのタイアップは、報道のように見せかけて、実は宣伝行為であったというのは、最近では当たり前になってきています。テレビ業界で言えば、NHKは民放とは違ってタイアップではあっても、「お知らせのレベルであって宣伝ではない」という神話(?)が崩れつつあるのは多くの人が気づいていることです。
それでは民放はどうなのかということは、わざわざ説明することもないくらいに「タイアップ=宣伝」は頻繁に行われていて、専門家なら(広告に関わる人でなくても)宣伝行為に動いている金額の想像がついてしまいます。
いくら宣伝のように感じさせても料金が発生しないのが「腐ってもタイアップ」だとしたら、料金が発生するのは「腐ったタイアップ」と呼ぶとすると、テレビ番組の制作に関わってきた人間からすると、後者が多くなりすぎているのは当たり前と言える状態です。
「腐ったタイアップ」の悪い前例を作ったのは納豆業界だと言われることがあります。この業界というのは、製造販売する事業者のことではなくて、テレビ局と依頼者の間に挟まって暗躍するPR担当を指しています。
私は、納豆業界の全国PRを担当していたので、悪い前例を作った張本人かと疑われることもあったのですが、私への依頼者は全国納豆協同組合連合会で、テレビ番組を買うようなことをしたのは別ルートのPR代理店の人です。
当時の日曜のゴールデンタイムの民放(全国キー局)の情報番組(1時間番組)で納豆特集をしてもらうのに、どれくらいの支払いがあったのかは、そのときには教えてもらえていませんでした。
後に同じ番組で、コエンザイムQ10が特集されたときに800万円であったと聞き、「納豆の3倍には届かなかったが」ということを聞いて、だいたい300万円くらいだったのだろうと想像がつきました。
納豆は「腐ったタイアップ」と関係ないと思いたいところですが、腐ったと指摘されても仕方がないことが後にあって、私が知っているところとは別ルートであったことを知ったという話は次回(金言の真理30)に続きます。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕