「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中からエネルギー産生栄養素バランスの「目標量の算定方法」(基本的な考え方)を紹介します。
〔目標量の算定方法〕
◎基本的な考え方
エネルギー産生栄養素バランスそのものが、生活習慣病の発症予防や、その重症化予防に直接かつ深く関与しているだけでなく、むしろ脂質の構成成分である個々の脂肪酸(特に飽和脂肪酸)、炭水化物の一部である食物繊維、たんぱく質の摂取源などのほうが直接かつ深く関与している場合が多い可能性があります。
飽和脂肪酸は脂質に含まれ、食物繊維は炭水化物に含まれるため、これらも考慮してエネルギー産生栄養素バランスを算定しなければなりません。
そこで、基本的に次の順序で算定を行いました。
初めにたんぱく質の目標量(範囲)を算定しました。続いて、飽和脂肪酸の目標量(上限)を算定しました。飽和脂肪酸の目標量(上限)を主に参照して脂質の目標量(下限)を算定しました。
これらの合計摂取量の残りとして、炭水化物の目標量(範囲)を算定しました。
ただし、それぞれの栄養素の範囲については、おおむねの値を示したものです。
したがって、エネルギーと他の栄養素の摂取量に十分に配慮して、それぞれの状況に応じたエネルギー産生栄養素のバランスを考慮すべきです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






