タイアップはテレビ番組などの商品そのものが紹介されても、1つだけではなくて他社のものと一緒に複数を画面に出すというのが原則でした。
それでは、タイアップ効果が弱いというので、3つのうち真ん中を強調したいときには徐々にアップにしていく、端のものを強調するときは“なめていく”(カメラを横に動かす)ことで最後に映すようにする、といった工夫がされていました。
テレビ番組のディレクターから、よく依頼があったのは3つ目が見つからないので紹介してほしいということで、何度か紹介をしたのですが、探して放送に間に合わせるまで数時間しかないということもありました。
それでも商品名は出さないようにする(画面を注視すればわかる)、売っているところや価格は出さないという原則は守られていました。
しかし、今では、商品名も会社名も出すだけでなくて、価格も買う方法まで紹介するということで、タイアップが丸出し状態です。
それも一つの番組で、いくつも紹介されて、「これは情報ではなくて通販ではないか」と言いたくなるようなものも目立っています。
このようなことが目立ち始めたのは、テレビ業界の広告費がインターネット業界に追い抜かれたのは2019年からのことですが、2021年には4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)の広告費の合計をインターネット広告が追い抜いて、テレビ番組の広告化が一気に進みました。
以前のような正統派のタイアップ(メディアが情報収集する負担を販売に関わる会社が情報提供をして紹介してもらう)は、なかなか見られなくなってきました。
タレントなどが楽曲や舞台、書籍(写真集も)、他のテレビ番組のPRのために無料で番組に出るというのは当たり前のことで、出演するタレントの数が多すぎる状態で、タレントによる“お知らせ”だらけになっています。
これが社会に害を与えることがないものであったら、何も「腐ってもタイアップ」だ、「腐ったタイアップ」だ、と目くじらを立てるようなことではないのですが、健康に関わることだと、見逃すことはできなくなります。
このことについては次回(金言の真理32)に書かせてもらいます。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕






