金言の真理33「腐ってもタイアップ」7

テレビ番組のタイアップがガラッと変わったのは、2011年3月11日のことで、それは東日本大震災の当日のことでした。発生したのは14時46分で、テレビ番組は地震報道一辺倒になりました。

そのときに私は東京の赤坂にいて、TBSの制作プロダクションで健康番組の打ち合わせをしていましたが、自宅兼事務所のマンションまで歩いて帰りました。歩いている時間は15分ほどでした。(住所的には、仕事先も自宅も赤坂)

その間に考えたのはマンションの被害や交通環境・通信環境が回復する時期のこともあったのですが、最も気になっていたのは、これまでのタイアップ番組がなくなる可能性でした。

マンションは共用のロビー空間も居室も壁にヒビ割れが生じたくらいでしたが、エレベータが使えなくなり、5階まで歩いて上がりました。

TBSのテレビドラマで有名なプロデューサーが同じマンションの住人でしたが、その方の自宅兼事務所の19階(最上階の1つ下の階)に比べたら、楽なほうでした。

そのプロデューサーとのタイアップについて、これまで、どこにも書いてこなかったのですが、この連載コラムで、いつか書くことになるかと思います。

健康や食に関わるテレビ番組では、番組スポンサー、スポット広告スポンサー以外に、タイアップ(商品やサービスの紹介など)の収入もあったのですが、いつ地震関連のニュースが入るかわからないことから、タイアップは一時中止となりました。

この状態が長引く中で、テレビ局が番組スポンサーとスポット広告スポンサーだけのタイアップに切り替えました。

工場見学や商品開発物語、店舗巡りなどで、テレビ局に大きな利益をもたらす会社だけが採用されるようになって、単発で情報を差し入れる仕事は消えてしまいました。その流れは今も続いています。

健康や食に関わる番組への情報提供は、それなりの収入源となっていましたが、これを諦めて、それまで軽い手伝い程度で止めていた大きなタイアップを本格的に手掛けることに切り替えました。

その手がけた期間は、東京から岡山に移住するまでの5年間でした。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕