学習特性サポート111 学習障害児の保護者の活躍の場

発達障害児はすべての子どものうち10%が該当するといわれています。発達障害児のうち半分は学習障害で、残りの多くが自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害とされています。

では、学習障害がある子どもは5%なのかというと、実際には10%以上は存在しています。学習障害の特性とされる識字障害、書字障害、算数障害は脳の発達の違いによって起こることが知られていますが、それだけが学習障害の要因ではありません。

集中するばかりに全体像が見えにくいという自閉症スペクトラム障害でも、集中しにくい注意欠陥・多動性障害でも、学習がうまくいかないことがあります。

どの発達障害であっても、決められた標準的な時間で理解することが苦手で、理解したことを書き記すにも時間がかかるという特徴がみられます。発達障害と診断されていなくても、グレーゾーンと呼ばれる発達障害と診断されていない状態でも学習に影響が出ることもあります。

それ以外にも、学習に障害や困難さを抱えている子どもは多く、すべての子どもの10%とされる学びに困難さを抱えている子どもの支援は、学校だけでも支援施設などでも完全に支援することは難しいところがあります。

そのような状況の中でも、発達障害と学習障害がある子どもを育ててきた保護者は、多くの情報を得て、子どもの進むべき道を導いてきた経験があります。もちろん個人によって差はあるものの、学習障害の改善に取り組んできた親も祖父母も貴重な経験者です。

その貴重な経験を、次に続く子どもたちのために活かしてほしいという思いから、支援する立場となることが期待されています。

それは教師のOBや広範囲の教える仕事をしてきた人だけでなく、学習障害児を育てた当事者としての親にも祖父母にも、その活動に参加することを願っています。その活動の場とするために学習障害に特化した講習への取り組みを進めているところです。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕