食事摂取基準150 ビタミンA12

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンAの耐容上限量の策定方法の「基本的事項」の続きを紹介します。

〔基本的事項〕
*小児(耐容上限量)
小児は、18〜29歳の耐容上限量を外挿して設定しました。参照体重の関係で女児の方が男児よりも大きな値となるため、男児の値を女児にも適用することにしました。

1〜2歳では6〜11か月児の600μgRAE/日よりも小さな値(500μgRAE/日)となりますが、600μgRAE/日としました。

*乳児(耐容上限量)
新生児にビタミンAを経口で与えた介入研究(15000μgRAEの単回投与)の結果をまとめたメタ・アナリシスでは、介入群はプラセボ群に比べ、48〜72時間以内の泉門膨隆のリスクが増加したと方谷されています。

また、長期(数か月)の過剰摂取(5550〜18000μgRAE)による健康障害として、頭蓋内圧亢進の症例報告もあります。これらを参考に、健康障害非発現量を6000μgRAE/日としました。不確実性因子を10として乳児の耐容上限量は600μgRAE/日としました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕