「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンDの基本的事項の「定義と分類」を紹介します。
〔定義と分類〕
ビタミンDは食品から摂取されると同時に、紫外線曝露によって皮膚でも産生され、その両方が体内でビタミンDとして利用されます。
食品中に存在してビタミンDの活性を有する化合物は、キノコ類に含まれるビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と魚肉と魚類肝臓に含まれるビタミンD3(コレカルシフェロール)に分類されます。
ヒトを含む哺乳動物の皮膚には、プロビタミンD3(7−デヒドロコレステロール、プロカルシフェロール)がコレステロール生合成過程の中間体として存在して、紫外線の曝露によってプレビタミンD3(プレカルシフェロール)となり、体温による熱異性化を経て、ビタミンD3(コレカルシフェロール)となります。
ビタミンD2とビタミンD3は側鎖構造のみが異なる同族体で、体内で同様に代謝されます。効力については、ビタミンD3のほうが、ビタミンD2より効力が大きいという報告が見られますが、現時点では両者の換算は困難であるため、ビタミンDの食事摂取基準は両者を区別せず、両者の合計量として算定しました。
また、質量以外にIUという単位も用いられ、1μg=40IUとなります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






