「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンDの欠乏回避の「目安量の策定方法」の続きを紹介します。
〔目安量の策定方法〕
*小児(目安量)
ビタミンD欠乏性くる病における血清25−ヒドロキシビタミンD濃度の基準は、20ng/mL以上とされており、小児でも血清25−ヒドロキシビタミンD濃度20ng/mL以下で骨折リスクが増大します。
したがって、成人と同様に小児においても、血清25−ヒドロキシビタミンD濃度の参照値として20ng/mLを採用しました。
日本人に12〜18歳の男女1380人のビタミンD摂取量を評価して、血清25−ヒドロキシビタミンD濃度を測定した報告があり、ビタミンD摂取量の平均値は対象者の性・年齢を問わず約10μg/日でしたが、血清25−ヒドロキシビタミンD濃度が20ng/mL未満であった者は、男子で30.1%、女子で47.1%存在しました。
また、血清25−ヒドロキシビタミンD濃度20ng/mLを越えるには、男子で12μg/日以上、女子で14μg/日以上のビタミンD摂取が必要となることも示されています。
しかし、日本人においてビタミンD摂取量と血清25−ヒドロキシビタミンD濃度の比較検討を行った報告が乏しいことから、小児を対象とした研究結果に基づいて目安量を算定することは困難と考えられました。
そこで、成人で得られた目安量を用いて外挿をして求めました。なお、算定値が成人より大きい場合には、成人と同値としました。
また、性別を考慮した値の算定は困難と考え、男女において数値が多いほうの値を採用して、男女別の値は示しませんでした。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






