活性酸素を消去する作用があるポリフェノールといえば、赤ワインのポリフェノールがあまりにも有名です。ポリフェノールは植物の渋みや苦味のもとになる成分で、紫外線を浴びることによって生じる色素です。
ポリフェノールの抗酸化作用が注目され始めたのは1990年前後のことで、フランス人は脂肪摂取が多いにも関わらず動脈硬化が少ないことから「フレンチパラドック」と呼ばれて、その理由が世界中の研究者によって追及されていました。
その中でも世界に評価されたのは、当時は国立栄養研究所(後の国立健康・栄養研究所)の臨床栄養部長であった板倉弘重先生(医学博士)で、1994年に赤ワインに含まれるポリフェノールの動脈硬化予防作用がイギリスの医学雑誌に発表されました。
空前の赤ワインブームのきっかけでしたが、ポリフェノールの抗酸化作用が日本国内で知られるようになったのは赤ワインではなくて、ココアが先でした。
日本チョコレート・ココア協会がカカオの健康効果を伝える講習会を1995年に開催しましたが、そのときのメイン講師が板倉先生でした。テーマはカカオの健康効果ということで、それに絞っての話でした。
講習会の最中にテレビの全国キー局の健康番組(昼間の帯番組)の担当者に連絡を取りました。といっても、現在のようにスマホで簡単に情報を送ることができる時代ではなかったので、途中で抜け出して携帯電話で情報を伝えました。
講習会の終了間際には担当者が会場に駆けつけて、板倉先生を紹介して、ココアの健康効果を番組で取り上げることが決まりました。
カカオが材料となっているチョコレートとココアには、活性酸素を消去する抗酸化作用があり、血管の老化を防ぐということで話を進めていましたが、1995年の12月の番組で取り上げたのはココアが血圧の上昇を抑えるという内容でした。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






