金言の真理41「兵隊の靴」7

「兵隊の靴」の前回では、ウォーキングの両陣営から同時期に「兵隊」という言葉を聞いた、靴(ウォーキングシューズ)の利権についての話も聞いたと書きました。

両陣営というのは、最大組織の一般社団法人日本ウオーキング協会と別のウォーキング団体ということではなくて、日本ウオーキング協会の構成団体である47都道府県協会の分裂の危機があり、守る側と攻める側の両方から私と、私が関わってきた団体にアプローチがありました。
(ウォーキングは一般名称で、ウオーキングは日本ウオーキング協会の固有名称)

そのきっかけとなったのは、2011年に日本ウオーキング協会が粉飾決算を自主公表して、執行部が引責辞任をしたことです。再生委員会が設立されて、内部からの改革を主導する会員がいれば、それに反発する既存の会員がいるのは、どこの世界でも似たようなものです。

中には新たなウォーキングの全国団体を作ろうという動きがあって、ウォーキングを科学的に解析して、正しい歩き方と、それを実現するウォーキングシューズをメーカーと共同開発していたメンバーが中心となって呼びかけていました。

私は健康科学としてのウォーキングを研究していたこともあって、分裂・独立を目指した方々に知り合いが多くて、その秘密裏の会合にも呼ばれました。

そのときに出たのが「兵隊」という言葉で、いくつかの都道府県協会を抜けさせて、多くの兵隊(ウオーキング大会参加者)を確保したほうが勝つという話であって、これには反発がありました。

兵隊が多ければ、それだけ多くの靴(ウォーキングシューズ)が売れて儲かる、という話があってからは、ウオーキングの研究は既存の組織から離れて、独自に実施しようと考えるに至りました。

ウォーキングシューズは、全国各地で販売されているのですが、大規模のウオーキング大会では日本ウオーキング協会の協賛会社の大手メーカーがブース出店をして、安く提供していました。

その多くは型落ち品(最新モデルの登場で古くなった製品)でしたが、長年愛用されてきたものだけに、それが手に入るというのもウオーキング大会の魅力の一つでした。

それを利権にしたいと思う人が出てくるくらい、組織を運営する側にとっても魅力的なことだったということです。

ウォーキングに関わる話は、別のお題(休まないで歩け)で次回(金言の真理42)も続きます。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕