私が日本健康スポーツ連盟の理事を務めていたときに、日本ウオーキング協会の支援に送り込まれたのは、「健康ウオーキング指導士」の資格認定の講習内容の改善が大きな目的でした。
歩くことは生活習慣病の改善には有効で、血圧や血糖値、中性脂肪値やLDL(悪玉)コレステロール値の改善には、医師などから歩くことがすすめられます。医師が数値を改善する歩き方を教えてくれればよいものの、そのほとんどは歩くように言われるだけで、正しい歩く方を教えてくれることはありません。
中には、ウォーキングのイベントに行くように指示したり、ウォーキングの団体を紹介してくれることがあるものの、問題は、どこに行けば、それぞれの状態に合った歩き方を教えてもらえるかということです。
その解答は、「ほとんどない」もしくは「ない」ということになります。
先に触れた日本ウオーキング協会の「健康ウオーキング指導士」ですが、その講習テキストに書かれているのは、例えば高血圧の人が歩くことによって血圧を下げることではなくて、血圧が高い人がウオーキング大会に参加したときに、安全にイベントを終了させるための方法であって、参加する人が希望する血圧を低下させる歩き方を教えてくれることがなかったからです。
生活習慣病の要因となる検査数値を安定させる歩き方はあるのに、それを知って、指導することは大変であるので、避けて通っているというのが実際のところです。歩くことは相対的に検査数値を安定させるのに役立つものの、歩くことによって逆の結果になることもあります。
それだけに、私たちが長年の研究によって得た安全かつ効果がある歩き方を伝えるべく、研究資料を提供しようとしたのですが、それが実ることはありませんでした。
(ウォーキングは一般名称で、ウオーキングは日本ウオーキング協会の固有名称)
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕






