食事摂取基準168 ビタミンE3

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンEの「指標設定の基本的な考え方」を紹介します。

〔指標設定の基本的な考え方〕
多価不飽和脂肪酸の摂取量が増えると、多価不飽和脂肪酸に由来して発生する過酸化脂質の生成を抑制するためにビタミンEの需要が高まります。

この場合にビタミンEが十分に供給されないと、過酸化によって引き起こされる、クレアチニン尿、赤血球膜の脆弱性や脂質過酸化の増加などを引き起こす可能性があります。

つまり、α–トコフェロールの必要量は多価不飽和脂肪酸摂取量に依存します。

そこで、多価不飽和脂肪酸摂取量に対して適切なα–トコフェロールの摂取量を考慮しながら、日本人の現状の摂取量を基に目安量を設定しました。

耐容上限量については、欠乏と同様に、通常の食事を摂取している限り過剰症を発症することはありませんが、サプリメントなどの通常の食事以外からの摂取による急性過剰症として血液凝固障害の回避を目的として耐容上限量を定めました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕