食事摂取基準172 ビタミンE7

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンEの欠乏の回避の「目安量の策定方法」の続きを紹介します。

*小児(目安量)
これまで健康な小児のビタミンEの目安量の推定に関するデータは見出されていません。そのため、成人と同様に国民健康・栄養調査(平成30年・令和元年)における摂取量の中央値を目安量としました。

*乳児(目安量)
母乳中のビタミンE濃度は、初乳、移行乳、成熟乳となるにつれて低下して、初乳(6.8〜23mg/L)に対して、成熟乳(1.8〜9mg/L)では、およそ1/3〜1/5です。

また、母乳中のビタミンE濃度は、早期産か満期産には関係なく、さらに日常変動もほとんど見られません。

日本人の母乳中のα–トコフェロール量の平均値(約3.5〜4.0mg/L)に基準哺乳量(0.78L/日)を乗じると、2.7〜3.1mg/日となるため(≒3.5〜4.0mg/L×0.78L/日)、丸め処理を行って3.0mg/日を0〜5か月児の目安量としました。

6〜11か月児については、体重比の0.75乗を用いて体表面積を推定する方法で外挿すると、男児が3.85mg/日、女児が3.80mg/日となるため、4.0mg/日を目安量としました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕