金言の真理47「休まないで歩け」6

水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」の歌詞の一部である「休まないで歩け」は、経済成長期だけでなく、バブル崩壊後も、実質賃金が上がっていない30年間もの期間も、またコロナ禍からの脱却を目指している期間も、合言葉のように使われてきました。

休まないで続けることの利点については、「継続は力なり」「石の上にも三年」「七転び八起き」「百折不撓」など、励ますべき人に合わせて、さまざまな言葉が使われています。

あまり聞き覚えがない「百折不撓」(ひゃくせつふとう)について説明しておくと、「幾度失敗しても挫折感を味わっても、挫けずに立ち上がること」「どんな困難にも臆せず、初めの志を曲げずに突き進むこと」を意味しています。

「継続は力なり」も「石の上にも三年」も「七転び八起き」も、使われ続けてきた言葉だけに今では迫力を持って感じられないところがあるかと思いますが、「百折不撓」の強い意志だとすると「休まないで歩け」は勢いというよりも“覚悟”の意味合いが生じてきます。

コロナ禍を経験して、長らく外出ができず、人との交流が大きく減り、健康診断を受けることも医療機関にかかることも大きく減った結果、国民の健康度は大きく低下しました。

それは平均寿命にも表れていて、ずっと伸び続けてきて世界のトップを誇っていた平均寿命の延びが止まり、わずかであっても下がりました。

このような状態を打破するために、「以前と同じように歩こう」と呼びかけるだけでは足りません。

健康度が低下した分だけ、「以前よりも多く歩くこと」、「以前よりも健康効果がある歩き方をすること」を考え、実践しなければならないと機会があるたびに言っています。

「歩くのも仕事のうち」というのは、東京にいたときに日本ウオーキング協会に関わり、最後には日本ウオーキング協会の下請け団体の代表を務めさせてもらっていたときには、仕事として歩いて稼ぐという意味でも使っていました。

健康効果を高めるウォーキングは、全国団体で活動と内容に制限が生じるところにいる限りは達成することは不可能でした。

岡山に移住してから8年半が過ぎて、コロナ禍の地方でのウォーキング事情も見てきた中で、「まるで仕事のように歩かないと健康度を高めることができない」と悟ったことから、会う人ごとに仕事のよう歩くことをすすめています。

それは介護予防といった観点ではなくて、地域の事情に合わせたウォーキングによって、支える人も支えられる人も、それを応援する人も元気でいて、目的を達成してほしいという思いを込めて言い続けています。
(ウォーキングは一般名称で、ウオーキングは日本ウオーキング協会の固有名称)
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕