血液型別に性格や適性を判定する手法は血液型占いとも呼ばれて、第一次ブームは1971年から始まり、20年以上もブームは続きました。
占いであれば信憑性について深く考えることはないだろう、というムードがあったのですが、職場の人事や学校のクラス分けにも使われるようになり、血液型と性格を決めつけるようなことも起こっていました。
今でも経営者や指導者の中に、血液型性格判定を組織運営の重要な判断基準としている例もあって、いまだに血液型での判定のブーム(人気の波)は小さいながらも続いています。
血液型性格判定がスポーツ競技のポジションや選手起用の際にも使われるようになり、その中でもバレーボールでは作戦上で効果が見られるということで、専門の月刊誌でも連載が行われることになりました。
そのときに、たまたま私が月刊誌の編集を手伝っていて、ゴーストライターもしていたことから、私に血液型占い研究の執筆者への取材の依頼がありました。
初めは取材をして、代わりに文章を書くという仕事だったのですが、執筆者から血液型研究に関わる調査資料の収集と分析も依頼されるようになりました。
集められた資料の中から、書籍などに役立つものを選択していく中で、無視をするというか、言葉を変えると“握りつぶした”資料もありました。これが「負の歴史」といえることです。
その中で今でも強く記憶に残っているのは地域と性格のデータで、日本の北側の地域の住民の性格、西側の地域の住民の性格を血液型と結びつけるものでした。
一般のイメージからすると東北の人は我慢強くて、コツコツと物事を進めていく性格で、血液型としてはA型が当てはまります。西日本の人は温暖な地域性もあって明るい性格で、交流も積極的ということでB型の性格が当てはまります。
ところが、血液型分布では北に行くほどB型が多くなり、西に行くほどA型が多くなって、イメージと実際の分布は逆になっていました。これを出してしまうと、これまでの研究成果と主張が違っていることになるというので、世の中には伝えずに始末をしてしまいました。
この分布の事実は今も明らかにはされていなくて、世に広まっていることと、実際のところが違っていることを知っているのは、根幹に関わった者だけで、知りたいと思う人がいても、それは日の目を見ないことがあるという一例です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






