「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのビタミンB₁の過剰摂取の回避の「耐容上限量の策定」を紹介します。
〔耐容上限量の策定〕
古い報告にはなりますが、10gのチアミン塩化物塩酸塩を2週間半の間、毎日のみ続けた結果、頭痛、いらだち、不眠、速脈、衰弱、易刺激性、かゆみが発生しましたが、摂取を中止すると、2日間で症状は消えたことと、チアミン塩化物塩酸塩をアンプルに詰める際に接触皮膚炎を引き起こす者がいたことが報告されています。
一方で、チアミン塩化物塩酸塩を数百mg/日、経口摂取させる治療が行われていますが、悪影響の報告はありません。
以上より、耐容上限量を算定できるデータは十分でないと判断して、策定はなされませんでした。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






