食事摂取基準204 ナイアシン2

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのナイアシンの基本事項の「機能」を紹介します。

〔機能〕
ナイアシンは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)とニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)の形態で、酸化還元反応を触媒する酵素の補酵素として電子の授受を行います。

ナイアシンは、解糖系、クエン酸回路(TCA回路)、電子伝達系、脂肪酸のβ酸化、糖新生経路、脂肪酸合成経路、ステロイドホルモン合成経路、アルコール代謝、ビタミンC、ビタミンEを介する抗酸化系など、さまざまな代謝経路に関与して、特にエネルギー産生栄養素代謝とエネルギー産生において重要な役割を果たします。

また、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)はADP-リボシル化反応の基質として、DNAの合成と修復、細胞分化に関与しています。

ナイアシンが欠乏すると、ナイアシン欠乏症(ペラグラ)が発症します。ペラグラの主症状は、皮膚炎や下痢、精神神経症状です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕