「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのビタミンB₆の「指標設定の基本的な考え方」を紹介します。
〔指標設定の基本的な考え方〕
血漿中に存在するピリドキサール5-リン酸(PLP)は、体内組織のビタミンB₆貯蔵量をよく反映しています。
血漿中のPLP濃度が低下した若年女性において、脳波パターンに異常が見られたという報告があります。
いまだ明確なデータは得られていないものの、神経障害の発生などのビタミンB₆欠乏に起因する障害が観察された報告を基に判断すると、血漿PLP濃度を30nmol/Lに維持することができれば、これらの障害はまったく観察されなくなります。
そこで、血漿PLP濃度を30nmol/Lに維持できるビタミンB₆摂取量を推定平均必要量とすることにしました。
一方、ビタミンB₆の必要量はたんぱく質摂取量が増加すると増え、血漿PLP濃度はたんぱく質摂取量当たりのビタミンB₆摂取量とよく相関します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






