「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのビタミンB₆の過剰摂取の回避の「耐容上限量の策定方法」を紹介します。
*成人・高齢者・小児(耐容上限量)
ピリキドシン(PN)大量摂取時(数g/日を数か月程度)には、感覚性ニューロパシーを指標として耐容上限量を設定しました。
手根管症候群の患者24人(平均体重70kg)にPNを100〜300mg/日を4か月投与して、感覚神経障害は認められなかったという報告があります。
この報告から、健康障害非発現量を300mg/日としました。
体重の値(平均体重70kg)から体重1kg当たりでは4.3mg/kg体重/日となり、不確実性因子を5として、耐容上限量算定の参照値を0.86mg/kg体重/日としました。
この値に各年齢区分の参照体重を乗じて、性別と年齢区分ごとの耐容上限量を算出して、平滑化を行いました。
*乳児(耐容上限量)
サプリメント等による摂取はないため、耐容上限量は設定されていません。
*妊婦・授乳婦(耐容上限量)
十分な報告がないため、耐容上限量は設定されていません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






