「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのビタミンB₁₂の「指標設定の基本的な考え方」を紹介します。
〔指標設定の基本的な考え方〕
ビタミンB₁₂の栄養状態を反映する生化学的指標として血清ホロトランスコバラミン濃度、血清メチルマロン酸濃度、血清ホモシステイン濃度が利用できます。
ビタミンB₁₂輸送たんぱく質トランスコバラミンにビタミンB₁₂が結合したホロトランスコバラミンの血清濃度は、分配されているビタミンB₁₂量を反映します。
ビタミンB₁₂の栄養状態が低下すると、ビタミンB₁₂を必要とするメチルマロニルCoAムターゼとメチオニンシンターゼの活性が低下して、血清ホモシステイン濃度が上昇します。
これらの生化学的指標を適正に維持できるビタミンB₁₂摂取量が報告されています。
しかし、それがビタミンB₁₂の欠乏症の回避に必要な最小摂取量を算定するために利用可能であるとの結論はまだ得られていません。
このため、推定平均必要量を設定せず、適正なビタミンB₁₂の栄養状態を維持できる摂取量として目安量を設定しました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






