「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのビタミンB₁₂の欠乏回避の「目安量の策定方法」を紹介します。
〔目安量の策定方法〕
*成人(目安量)
健康な成人を対象として、ビタミンB₁₂摂取量と血清ホロトランスコバラミン濃度、血清メチルマロン酸濃度、血清ホモシステイン濃度との関係を調べた観察研究が報告されています。
いずれの生化学的指標も良好な値を示したのは、平均摂取量4.2μg/日(摂取範囲3.4〜5.3μg/日)以上の集団でした。
また、日本人成人(18〜64歳)の摂取量は、平成30年・令和元年国民健康・栄養調査の結果の中央値によると2.9〜6.0μg/日となっています。そこで4.0μg/日を目安量としました。
血清ビタミンB₁₂濃度は男性に比べて女性で高いことが報告されていますが、その詳細は明確になっていないこともあり、男女差は考慮されていません。
*高齢者(目安量)
高齢者には萎縮性胃炎などで胃酸分泌の低い人が多く、食品中に含まれるたんぱく質と結合したビタミンB₁₂の吸収率が減少しています。
しかし、高齢者のビタミンB₁₂の吸収率に関するデータがないことから、高齢者でも目安量は成人(18〜64歳)と同じ値としました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






