「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのビタミンB₁₂の欠乏回避の「目安量の策定方法」の続きを紹介します。
〔目安量の策定方法〕
*乳児(目安量)
日本人の母乳中のビタミンB₁₂濃度として、0.45μg/Lを採用しました。
0〜5か月の乳児の目安量は、母乳中の濃度(0.45μg/L)に基準哺乳量(0.78L/日)を乗じると0.35μg/日となるため、丸め処理をして0.4μg/日としました。
6〜11か月児の目安量は、2つの方法による外挿値の平均値としました。
具体的には、0〜5か月児の目安量と18〜29歳の目安量それぞれから6〜11か月児の目安量算定の基準となる値を算出しました。
次に、男女ごとに求めた値を平均して、男女同一の値とした後に、丸め処理を行って0.9μg/日を男女共通の目安量としました。
なお、外挿はそれぞれ以下の方法で行いました。
・0〜5か月児の目安量からの外挿
(0〜5か月児の目安量)×(6〜11か月児参照体重/0〜5か月児の参照体重)0.75
・18〜29歳の目安量からの外挿
(18〜29歳の目安量)×(6〜11か月児参照体重/18〜29歳の参照体重)0.75×(1+成長因子)
*小児(目安量)
小児については、成人(18〜29歳)の値を基に、体重比の0.75乗を用いて推定した体表面積比と、成長因子を考慮した次式、「(対象年齢区分の参照体重/18〜29歳の参照体重)0.75×(1+成長因子)」を用いて算定しました。
男女間で計算値に差異が認められた場合には、低い方の値を採用しました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






