自分の足元を見つめ直すということが「看脚下」の本来の意味であるのに、玄関で靴を揃えることを示して使われるということを書いてきましたが、これとは別に「看脚下」が使われるのがウォーキングの世界です。
それは、足元を見て歩くということではなくて、足元にばかり気をとられると正しい歩き方ができないという意味で使われています。
年齢を重ねてくると、筋力の低下や姿勢を保つ感覚が衰えてくるために首が前に出た姿勢になりがちです。そのために、視線が下向きになり、足元を見ているような形になります。
そんな人たちに対しては、「下を見ても何も落ちていない、先に歩いた人に拾われている」ということを軽口の感じで言うようにしています。
ウォーキングでは少し前傾姿勢になることで、エネルギー効率よく前進することができます。その場合の視線は15m先を見るように言われます。
少人数で歩いているときには、電柱が目安となります。一般的な電柱は30〜50mの間隔で立てられているので、その半分ほどの距離となります。
集団で歩行するウォーキング大会では、先を歩く人の背中を見ることになりますが、その場合も15m先を見るようにするのが基本となります。
その目標としてもらうために、ウォーキング大会に参加する人には背中にメッセージをつけてもらいます。背番号の位置ですが、そこにウォーキングの目的や出身地(どこから参加したのか)などを書き入れます。
これを後ろから歩いてきた人に見てもらうことで、会話のきっかけになり、楽しく話をしながら歩いてもらおうという意図があります。
そして、話をしながら歩くことで、ウォーキングの目的や目標を思い出し、自分を見つめ直してもらいたいということで、「看脚下」の意味をウォーキング参加者にも伝えるようにしています。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕






