卵の黄身に栄養が入りにくくなっている理由について、ケージ飼いも影響していると前回(食の不都合な真実18)書きましたが、ケージ飼いは欧米では禁止されている国もある鶏の飼育法です。
ケージ飼いは金属ケージ(金網)を多段に積み重ねて、限られたスペースで効率的に大量生産する飼育方法で、登場したばかりのときには“団地飼い”と揶揄して呼ばれていたものです。
省スペースだけでなく、産んだ卵が転がり出てくる仕組みによって飼育する人の行動範囲も狭くなり、掃除もしやすいことから、人件費を抑えるというメリットがあります。
メリットの一方でデメリットもあって、密飼いと指摘される1羽あたりの370〜430㎠の密度で、四方も床と天井も金網で囲まれています。羽を広げるための空間がなくて、鶏の行動が極端に制限されています。
こんな環境では心身のストレスを抱えやすいのは当然のことですが、栄養過多、運動不足の状態が続いていたら、人間であれば生活習慣病になってしまいかねないところです。
このような環境で卵を産まされている採卵鶏は、日本では9割以上にも及んでいますが、鳥インフルエンザなどの感染症が発生したら、大きな被害が起こってしまうのは簡単に想像がつきます。
悪化した環境では、いくら栄養を与えられても、黄身の中に栄養が届きにくくなって、通常の餌に使われるトウモロコシだけでは黄身の色が薄くなってしまいます。そこで卵黄着色料としてパプリカ、アスタキサンチン、マリーゴールドといった赤系の色素が飼料に加えられます。
それでも色が薄くなるときには、食品添加物の赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号といった石油系合成着色料が使われることもあります。
これらの合成着色料の食品への使用が禁止されている国もあるだけに、飼料の中身の確認、そのような色素を使わないといけないような環境でないかを確認したいところですが、鶏卵の価格高騰の中では、そのような選択は難しいことかもしれません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






