食事摂取基準242 パントテン酸2

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのパントテン酸の基本的事項の「消化、吸収、代謝」を紹介します。

〔消化、吸収、代謝〕
生細胞中のパントテン酸の大半は、補酵素型のCoAの誘導体であるアセチルCoAをはじめとするアシルCoAとして存在しています。

また、4’-ホスホパンテテインのように、酵素たんぱく質と結合した状態で存在している形態もあります。

食品を調理・加工する過程と胃酸環境下で、ほとんどのCoAとホスホパンテテイン誘導体は酵素たんぱく質と遊離します。

遊離したCoAとパンテテイン誘導体のほとんどは腸内の酵素によって消化され、パントテン酸となった後に吸収されます。

消化過程は食品ごとに異なり、同時に摂取する食品の影響も受けます。

日本で摂取されている平均的な食事中のパントテン酸の遊離型パントテン酸に対する相対生体利用率は、70%程度であると報告されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕