「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのナトリウムの基本的事項の「消化、吸収、代謝」を紹介します。
〔消化、吸収、代謝〕
摂取されたナトリウムは、その大部分が小腸で吸収され、損失は皮膚、便、尿を通して起こります。
空腸では、ナトリウムの吸収は中等度の濃度勾配に逆らい、糖類の存在によって促進されます。
回腸では、高度の濃度勾配に逆らって能動輸送されますが、糖類または重炭酸イオンの存在とは無関係です。
便を通しての損失は少なく、摂取量に依存しません。ナトリウム損失の90%以上は腎臓経由による尿中排泄です。
ナトリウムは糸球体でろ過された後に、尿細管と集合管で再吸収され、最終的には糸球体ろ過量の約1%が尿中に排泄されます。
ナトリウム再吸収の調節は、遠位部ネフロンに作用するアルドステロンによります。
糸球体でのろ過作用と細尿管での再吸収が体内のナトリウムの平衡を保持しているので、ナトリウム摂取量が増加すれば尿中排泄量も増加して、摂取量が減少すれば尿中排泄量も減少します。
したがって、24時間尿中ナトリウム排泄量からナトリウム摂取量を推定することができます。
腎臓外のナトリウムの調節の仕組みとして、食塩摂取欲、口渇、血漿レニン活性、血漿アンジオテンシンII、アルドステロン産生、心房性ナトリウム利尿ペプチド、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどのカテコールアミン、血管作動性腸管ポリペプチドなどをあげることができます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






