朝飯前というのは、「ほんの朝飯前」と表現されることから極めて短い時間を指す慣用句と認識されています。朝飯前は、朝に目覚めてから朝食を食べるまでの時間というのが普通の感覚です。
一日にこなさなければならないことは多くて、それにかける時間に比べたら朝食を食べる前の時間は短くて、実際の時間にしたら5分もかからないという人もいるかもしれません。
別の意味にとらえている人もいて、朝食が出来上がってから食べ始めるまでの時間と思われていることもあります。これだと考えると、「いただきます」を言うまでの時間となるので、短い場合だと数十秒ということもあります。
正解と考えられているのは、初めに書いた「目覚めてから朝食を食べるまでの時間」です。これが5分や10分というのは現代の感覚であって、竈(かまど)に火をつけて、井戸に水を汲みに行くところから始まる時代には少なくとも起床してから30分はかかっていました。
江戸時代の話かと言われることもあるのですが、私が3歳のときに暮らし始めた母親の実家の寺院では普通にやっていたことで、昭和33年のことです。
そこから数年間で水道が通ったので、子どもの仕事であった井戸の水汲みからは解放されて、朝飯前の時間に何かをすることは可能になりました。その多くはお膳を出して、食器などを揃えるくらいで、あとは板の間の食堂にいて、ご飯が出来上がるまでできることは限られていたので、朝飯前は5分くらいでした。
「ほんの朝飯前」の時間は朝食前にする役割によって違っていますが、その言葉ができた時代といえば四半刻(しはんとき)ほどで、これは現在では30分くらいの時間となります。
ということで、朝飯前という言葉を使う場合には、数分で済むことではなくて、30分ほどかかることを示すのが相応しいことになります。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕






