「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのカリウムの生活習慣病の発症予防の「目標量の策定方法」を紹介します。
〔目標量の策定方法〕
*成人・高齢者(目標量)
WHOのガイドラインでは、成人の血圧と心血管疾患、脳卒中、冠動脈性心疾患のリスクを減らすために、食物からのカリウム摂取量を増やすことを強く推奨して、カリウム摂取量と心血管疾患などとの関係を検討した結果、これらの生活習慣病の予防のために3510mg/日のカリウム摂取を推奨しています。
また、2016年に発表された量・反応メタ・アナリシスでは、カリウム摂取と脳卒中の発症の間には逆相関が確認されて、カリウム摂取量が3510mg/日で脳卒中のリスクが最も低いことが報告されています。
日本人は、ナトリウムの摂取量が多く、高血圧の発症予防を積極的に進める観点からも、この値が支持されます。
したがって、WHOのガイドラインで示された値を目標と考えることとしました。
しかし、日本人の現在のカリウム摂取量は、これらよりもかなり少なく、WHOの値を目標量として掲げても、その実施可能性は低いと言わざるを得ません。
そこで、次の方法で目標量を算定することとしました。
平成30年・令和元年国民健康・栄養調査に基づく日本人の成人(18歳以上)におけるカリウム摂取量の地域ブロック・性・年齢区分を調整した中央値(2211mg/日)と、3510mg/日との中間値である2861mg/日を、目標量を算出するための参照値としました。
次に、成人(18歳以上男女)における参照体重(58.6kg)と性別および年齢区分ごとの参照体重の体重比の0.75乗を用いて体表面積を推定する方法によって外挿して、性別および年齢区分ごとに目標量を算定しました。
具体的には、2861mg/日×(性別および年齢区分ごとの参照体重kg÷58.6kg)0.75としました。
次に、この方法で算出された値と、現在の摂取量の中央値(平成30年・令和元年国民健康・栄養調査)との差を検討して、高い方の値を目標値として用いることにしました。
その際、200mg/日で数値の丸め処理を行うとともに、隣接する年齢区分間における数値の平滑化処理を行いました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






