食事摂取基準300 マグネシウム8

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのマグネシウムの生活習慣病の発症予防の「主な生活習慣病との関連」の続きを紹介します。

〔主な生活習慣病との関連〕
*糖尿病
マグネシウム摂取量と2型糖尿病との関連について検討した13の前向きコホート研究のメタ・アナリシスでは、マグネシウムの摂取量と2型糖尿病の罹患リスクは負の相関を示して、100mg/日のマグネシウム摂取量増加は、相対リスクを0.86に低下させました。

2016年に発表された同様の解析でも、100mg/日のマグネシウム摂取量増加によって、2型糖尿病の発症を8〜13%減少させると報告されています。

日本人を対象とした研究では、マグネシウム摂取と糖尿病発症の間には有意な関連は見られていません。これは摂取レベルが低いことが原因の1つと考えられ、日本人を対象とした更なる研究が必要と考えられます。

2022年に発表された中国の検討では、食事性マグネシウム摂取量が280mg/日未満の場合、マグネシウム摂取量の増加に伴い、メタボリックシンドロームのリスクは有意に減少すると報告されています。

しかし、糖尿病の予防に必要なマグネシウムの摂取量を明らかにするためには、更なる研究の蓄積が必要です。

*慢性腎臓病
慢性腎臓病では、低マグネシウム血症(1.8mg/dl未満)を呈する患者は、死亡率が高く、腎機能低下速度が速いという報告があります。

特に糖尿病腎症の患者では血清マグネシウム値が低下しやすく、そのような患者において腎機能低下速度が速くなっています。

一般に、腎機能低下とともに血清マグネシウム値は上昇しますが、その閾値は科学的根拠がなく不明です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕