「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのリンの欠乏回避の「目安量の策定方法」を紹介します。
〔目安量の策定方法〕
*成人・高齢者・小児(目安量)
平成30年・令和元年国民健康・栄養調査によると、リンの摂取量の中央値は957mg/日です。ただし、この値には加工食品に添加されているリンの量は加味されていないために、実際の摂取量は、この値より多いことも考えられます。
18〜28歳の日本人女性を対象とした出納試験によると、リンの平衡維持に必要な摂取量は、18.7mg/kg体重/日でした。
この値を基に、性別および年齢区分ごとの参照体重を乗じて推定平均必要量を求めると、18〜29歳の女性では946mg/日となり、ほぼ現在の摂取量と近い値となります。
年齢(平均±標準偏差)が68±6歳の高齢女性を対象に陰膳法によって実測を行った結果では、リン摂取量(平均±標準偏差)は1019±267mg/日と報告されており、国民健康・栄養調査とほぼ同程度の値です。
以上から、1歳以上については、平成30年・令和元年国民健康・栄養調査結果の中央値を用いて目安量を策定しました。
ただし、18歳以上については、実際の摂取量は食品添加物からのリン摂取量が加わる可能性を考慮して、男女別に各年齢区分の摂取量の中央値の中で最も少ない摂取量をもって、それぞれの18歳以上の全体の目安量としました。
*乳児(目安量)
日本人の母乳中リン濃度の平均値は150mg/Lであると報告されており、この値に基準哺乳量(0.78L/日)を乗じて得られる117mg/日に丸め処理を行って、120mg/日を0〜5か月児の目安量としました。
6〜11か月児について、母乳中のリン濃度と6〜11か月の哺乳量(0.53L/日)から計算される母乳由来のリン摂取量(80mg/日)と、離乳食由来のリン摂取量(183mg/日)を足し合わせ、丸め処理を行って260mg/日を目安量としました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






