「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのリンの生活習慣病の発症予防の「主な生活習慣病との関連」の続きを紹介します。
〔主な生活習慣病との関連〕
*高血圧
血清リン濃度と高血圧については、血清リン濃度が高いほど、血圧が低いという報告があります。
高血圧の発症予防と重症化予防のためのリン摂取量を算定することは困難と考えられます。
*慢性腎臓病(CKD)
腎臓は、リンやカルシウムの代謝調節に重要な役割を果たしており、腎機能の低下に伴って生じるリン・カルシウム・骨代謝異常は、CKD-mineral and bone disorder(CKD-MBDと総称されています。
早期CKD患者では、軽度の腎機能低下による相対的なリン負荷の増加に対して、代償的にFGF23やPTHが上昇することで単位ネフロン当たりのリン排泄量が増加するため、CKDが高度に進行するまで血清リン濃度は基準範囲に保持されます。
実際に、FGF23はCKDステージ2より既に上昇して、CKDの予後と相関することが知られています。
したがって、CKD早期からリンの負荷を制限することが、CKDの進行やCKD-MBDを抑制するために好ましいという考えもあります。
しかし、CKDのどの段階からどの程度リンを制限すれば良いかについての科学的根拠は十分ではありません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






