「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルの鉄の「指標設定の基本的な考え方」を紹介します。
〔指標設定の基本的な考え方〕
赤血球等に含まれる鉄の大半は再利用されますが、ごく一部は基本的鉄損失として、小腸の腸管上皮細胞の剥離等によって体外に排出されます。
また、基本的鉄損失とは別に、月経による損失および成長や妊娠・授乳中の需要増大が必要量に及ぼす影響は大きくなっています。
鉄の推定平均必要量と推奨量は、0〜5か月児を除き、出納試験や要因加算法等を用いて算定できます。
しかし、吸収率が摂取量に応じて変動して、低摂取量でも平衡状態が維持されるため、出納試験を用いると必要量を過小評価する危険性があります。
そこで鉄の必要量は、アメリカ・カナダの食事摂取基準に従って要因加算法によって算定しました。
一方、満期産で正常な子宮内発育を遂げた新生児は、およそ生後4か月までは体内に貯蔵された鉄を利用して正常な鉄代謝を営みます。
このことから、0〜5か月児に関しては、母乳からの鉄摂取で十分であると考え、母乳中の鉄濃度に基準哺乳量(0.78L/日)を乗じて目安量を算定しました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






