食事摂取基準324 鉄13

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルの鉄の欠乏回避の「推定平均摂取量、推奨量、目安量の算定方法」の続きを紹介します。

〔推定平均摂取量、推奨量、目安量の算定方法〕
*授乳婦の付加量(推定平均摂取量、推奨量)
分娩時における失血量(平均値±標準偏差)について、初産婦328±236mL、経産婦279±235mLという報告があります。
この量は、妊娠に伴う循環血量の増加よりも明らかに少なくなっています。

したがって、通常の分娩であれば、授乳婦の付加量設定において、分娩時失血に伴う鉄損失を考慮する必要はなく、母乳への損失を補うことで十分と判断しました。

分娩後、鉄の吸収率は非妊娠時の水準に戻ることより、授乳婦の鉄の吸収率は非妊娠時と同じ16%としました。

そして、母乳中鉄濃度(0.35mg/L)、0〜5か月児の基準哺乳量(0.78L/日)、吸収率(16%)から算定される1.71mg/日(0.35×0.78÷0.16)を丸めた1.5mg/日を授乳婦の推定平均摂取量の付加量としました。

授乳婦の推奨量の付加量は、個人間の変動係数を10%と見積もり、推定平均摂取量の付加量に推奨量算定係数1.2を乗じて得られる2.04mg/日を丸めた2.0mg/日としました。

これらは、月経がない場合の推定平均摂取量および推奨量に付加する値です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕