「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルの亜鉛の欠乏回避の必要量を決めるために考慮すべき事項の「推定平均必要量、推奨量の策定方法」の続きを紹介します。
〔推定平均必要量、推奨量の策定方法〕
*小児(推定平均必要量、推奨量)
小児の推定平均必要量設定に有用なデータは見当たりません。
しかし、18〜29歳の推定平均必要量の算出に用いた総排泄量の算定式には、精液と月経分泌物に由来する亜鉛損失量が含まれるため、1〜9歳の推定平均必要量を成人と同様の方法で求めることはできません。
そこで、前記の算定式における総排泄量から精液または月経分泌物損失量を除き、1〜9歳の総排泄量として、真の吸収量となる値、すなわち出納がゼロとなる値を求めると、男性3.110mg/日、女性2.768mg/日となります。
これらの値を、回帰式「真の吸収量=1.113×摂取量0.5462」の真の吸収量に代入して得られる男性6.560mg/日、女性5.303mg/日を1〜9歳の推定平均必要量を求めるための参照値と考えました。
1〜9歳の推定平均必要量は、18〜29歳との体重比の0.75乗と成長因子を用いて、この参照値から外挿しました。推奨量は、個人間の変動係数を20%と見積もり、推定平均必要量に1.4を乗じた値としました。
精通または月経の開始年齢には個人差があり、亜鉛不足のリスクを避ける観点から、10歳以上の小児に関しては精通または月経があるものと判断して、10〜17歳の小児の推定平均必要量は、体重比の0.75乗と成長因子を用いて18〜29歳の推定平均必要量(男性7.490mg/日、女性6.156mg/日)から外挿しました。
10〜11歳の推奨量は、変動係数を20%と見積もり、推定平均必要量に推奨量算定係数1.4を乗じた値としました。12〜17歳の男性の推奨量は、個人間の変動係数を10%と見積もり、推定平均必要量に推奨量算定係数1.2を乗じた値としました。
12〜17歳の女性の推奨量は、成人女性と同様に個人間の変動係数を12.5%と見積もって、推定平均必要量に1.25を乗じた値としました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






