食事摂取基準341 亜鉛9

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルの亜鉛の欠乏回避の必要量を決めるために考慮すべき事項の「推定平均必要量、推奨量の策定方法」の続きを紹介します。

〔推定平均必要量、推奨量の策定方法〕
*授乳婦の付加量(推定平均必要量、推奨量)
母乳中の亜鉛濃度は分娩後、日数とともに対数関数的に低下します。

日本人の母乳中の亜鉛濃度に関しても、分娩後6〜20日が3.60mg/L、21〜89日が1.77mg/L、90〜180日が0.67mg/Lとする報告や、分娩1週間後が4.56mg/L、1か月後が2.66mg/L、3か月後が1.14mg/L、5か月後が1.05mg/Lという報告、分娩後8〜14日が3.94mg/L、15〜84日が1.76mg/L、85〜120日が0.76mg/Lという報告があります。

これらの数値に基づくと、日本人の母乳中亜鉛濃度(Y)と分娩後日数(X)との間には、「Y=-1.285ln(X)+7.0105」という回帰式(相関係数0.988)が成立します。

この回帰式について、7〜150日の積分値を求め、日数で割ると1.61mg/Lという数値が得られます。

この値を分娩5か月後までの日本人の母乳中亜鉛濃度の代表値と考えて、0〜5か月児の基準哺乳量(0.78L/日)を乗じて、授乳婦の吸収率(53%)を除して得られる2.37mg/日を丸めた2.5mg/日を授乳婦の推定平均必要量の付加量としました。

推奨量の付加量は、個人間の変動係数を10%と見積もり、推定平均必要量に1.2を乗じて得られた2.84mg/日を丸めた3.0mg/日としました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕