「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルの銅の基本的事項の「消化、吸収、代謝」の続きを紹介します。
〔消化、吸収、代謝〕
銅欠乏症には、先天的な疾患であるメンケス病と銅の摂取不足に起因する後天的なものとがあります。
メンケス病では、ATPase7Aに異変があるため、銅を吸収することができず、血液や臓器中の銅濃度が低下して、知能低下、発育遅延、中枢神経障害などが生じます。
一方、摂取不足に起因する後天的な銅欠乏症は、外科手術後に銅非添加の高カロリー輸液や経腸栄養剤を使用した場合や亜鉛補充療法を長期間継続した場合に多く発生しています。
欠乏における症状は、鉄投与に反応しない貧血、白血球減少、好中球減少、脊椎神経系の異常に伴う歩行障害や下肢痛(ミエロパチー)等です。
銅過剰症のウイルソン病は、肝臓からの銅排出に関与するATPase7Bに異変があり、銅とセルロプラスミンの結合と胆汁への銅排泄が抑制されるため、肝臓に銅が蓄積して肝機能障害が生じます。
さらに、遊離の銅イオンが血中に放出されるため、脳や角膜にも銅が蓄積して、角膜のカイザー・フライシャー輪、神経障害、関節障害等が生じます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






