糖尿病の倫理16 糖尿病は簡単に治せる病気?

「糖尿病は簡単に治せる病気」だという人がいます。

それが治療などしたくない、これまでの生活を変えたくないという患者の発言であれば、そのような言葉が出てくるのもわからないではないのですが、医師の発言、それも糖尿病治療を行っている医師の発言となると見逃すことはできなくなります。

「簡単に治せる」と発言は、何をもって糖尿病と判断するのか、によって意味合いが違ってきます。血糖値が一定以上であれば糖尿病と診断された時代もありました。

血糖値は血液中のブドウ糖である血糖の割合が測定によって示されていますが、血糖値が急上昇するのは、糖尿病だけではありません。

一般には血液中のブドウ糖が体内で効率的に消費されないために、血液中に多く残ることから、血糖値を測定することで糖尿病に関わる身体機能を推測することができます。

ブドウ糖が吸収されやすいものを食べれば、血糖値は一気に上昇します。そのことが医療関係者はわかっているので(わかっているはずなので)、血糖値だけで判断するようなことはありません。

そこで血糖値の測定と同時に実施されるのが、ヘモグロビンA1c(HbA1c)値です。

ヘモグロビンA1cはヘモグロビン(赤血球の中のタンパク質)とブドウ糖が結合したもので、血糖値が高い状態が続くとヘモグロビンA1c値が上昇します。

一般には過去1〜2か月間の血糖値の状態を反映するため、長期間の血糖値の変動を確認することができます。

血糖値とヘモグロビンA1c値は糖尿病の診断のために実施されるだけでなく、治療の効果が現れたのか、治療によって治ったのかを確認するためにも実施されます。

しかし、血糖値に着目して、その変動だけで効果があった、治ったと判断される例もあって、それは極端な糖質制限を治療法として掲げる医療機関・医師に多くみられます。

糖質制限については次回に続きます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕