食事摂取基準361 マンガン7

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルのマンガンの過剰摂取の回避の「摂取状況」と「耐容上限量の策定方法」を紹介します。

〔摂取状況〕
マンガンは、穀物や豆類等の植物性食品に豊富に含まれています。

このため、厳密な菜食等の得意な食事形態に伴って過剰摂取が生じる可能性があります。

〔耐容上限量の策定方法〕
*成人・高齢者(耐容上限量)
EFSAは、マンガンの過剰摂取によって神経毒性が生じることは明らかですが、マンガン摂取量とマンガン誘発神経毒性との用量反応関係が明確でないことから、耐容上限量を設定することはできないとしています。

そして、ヨーロッパの星人におけるマンガン摂取量分布の95パーセンタイル値である8mg/日をマンガンの安全な摂取量の上限として示しています。

47人のアメリカ人女性に15mg/日のマンガンを25日間投与した研究では、血清マンガン濃度が有意に上昇しています。

また、穀類、豆類、木の実等を中心としたアメリカの菜食者の食事では、習慣的なマンガン摂取量が最大で10.9mg/日に達すると推定されています。

アメリカ・カナダの食事摂取基準では、これらの報告に基づき、マンガンの健康障害発現量を15mg/日、健康障害非発現量を11mg/日と推定しています。

一方、我が国の菜食者の女性12名の食事を陰膳収集して分析した研究では、マンガン摂取量(平均値±標準偏差)を7.5±2.2mg/日と報告しており、我が国の菜食者においても10mg/日に近いマンガン摂取が生じる可能性があります。

以上より、アメリカ・カナダの食事摂取基準が健康障害非発現量としている11mg/日を用いて、習慣的な摂取量に基づく値であることから、不確実性因子を1として、11mg/日を成人男女共通の耐容上限量としました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕