発達の伴歩19 ゆるやかな実践

児童発達サポーターの養成講習は、発達障害について広く理解してもらい、それぞれの方が“できることから”活動してもらう機会を設けるという、“ゆるやかな実践”を目指しています。

そのあたりを伝えたくて、「発達の伴歩」というタイトルを掲げたところがあります。

発達障害というと、医学的にも解明されていないところがあり、これまで紹介してきたように改善への施策についても大きな社会的課題があります。

特に子どもの発達障害は、その支援によって改善に大きな差が現れ、その子どもだけでなく、家族全体の将来にも大きな影響を及ぼすことになるだけに、「支援は必要であることはわかっていても、実際に何かをすることになると躊躇してしまう」という反応も少なくありません。

初めは積極的な支援を目的として養成講習に参加した方でも、2時間ほどの入門編の講習を終える頃には、「教養として学ぶことができた」という反応に変わっていたということもあります。

学んでいるうちに、発達障害児の“困難さ”を知り、自分自身が行動することの“困難さ”を感じたという声も多いのですが、そこまで考えてもらえたのは有り難いことではあるものの、困難さを感じたまま行動してもらうことを初めの段階では望むようなことはありません。

これまでも発達障害の専門家の方々が、さまざまな形でアプローチしてきて、それでも社会的・地域的な理解が現状の通りであることを振り返ると、専門家になってもらったり、リーダーになって推進してもらうことは難しいかもしれないと考えています。

これは児童発達サポーターという名称が受講者を構えさせてしまうのかもしれないのですが、その名称は厚生労働省が推進している「認知症サポーター」をひな型にしていて、広く国民がサポーターの意識を持って見守ってほしいという気持ちでの命名です。

児童発達サポーターについては「児童発達サポーター」というタイトルで、隔日で(「発達の伴歩」を掲載しない日に)連載コラムを書いています。

児童発達サポーターの発想については、次回(発達の伴歩20)に書かせてもらいます。
〔発達の伴歩:小林正人〕