「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルのセレンの「生活習慣病等の発症予防」の続きを紹介します。
〔生活習慣病等の発症予防〕
中国のセレン欠乏症が発生している地域の健康な住民(平均体重58kg)に、0〜125μg/日のセレンをセレノメチオニンとして投与した研究では、セレン投与量が35μg/日以上で血漿セレノプロテインPが飽和しています。
この研究での対象者の平均セレン摂取量が14μg/日であったことから、セレン摂取量が49μg/日以上で血漿セレノプロテインP量が飽和するといえます。
以上より、セレン摂取量が約50μg/日未満の場合に、生活習慣病の発症リスクが高まる可能性はあるものの、定量的なデータが不十分であるため、生活習慣病の発症予防のための目標量(下限値)の設定は見送りました。
一方、皮膚がん既往者に200μg/日のセレンサプリメントを平均4.5年間投与したアメリカの介入研究において、対象者を血清セレン濃度に基づいて3群に分けて検討すると、セレン濃度が最も高い(121.6μg/L以上)群において2型糖尿病発症率の有意な増加が認められています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






