食事摂取基準391 セレン13

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルのセレンの「生活習慣病等の発症予防」の続きを紹介します。

〔生活習慣病等の発症予防〕
観察研究においても、血清セレン濃度の上昇が糖尿病発症リスクの増加に関連することが認められています。

34の観察研究のメタ・アナリシスでは、血中セレン濃度およびセレン摂取量と糖尿病発症リスクが正に相関することが示され、セレン摂取量55μg/日に比べて、80μg/日および120μg/日ではリスク比が摂取量に応じて有意に増大しています。

血漿セレノプロテインP量が約50μg/日のセレンの摂取によって飽和することを踏まえると、セレノプロテイン類生合成に必要な量を超えるセレンの摂取は耐容上限量未満であっても糖尿病発症リスクを高める可能性があります。

生活習慣病の発症予防のための目標量(上限値)は、高セレン摂取と糖尿病以外の生活習慣病との関連に係る検討も必要とするため、今回は設定していません。

ただし、欠乏症を回避する目的以外にサプリメントを摂取して日常的なセレンの摂取量を意図的に高まることは、糖尿病発症リスクを高める可能性があるので控えるべきです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕