日米の医療制度の違いが糖尿病治療の基本原則から外れたことにつながっているということを前回(負の歴史48)書いて終わりました。
糖尿病の治療の大原則は「食事療法」、「食事療法+運動療法」、それで効果がみられないときには「食事療法+運動療法+医薬品」という流れです。
ところが、日本では初めから医薬品を出す医師が多く存在しています。そのことは患者にも“評判が良い医師”という困った結果にもなっています。確かに、患者にとっては食事療法も運動療法もなしに、薬を飲むだけなので、生活を変える必要がなくて楽な方法ではあります。
しかし、これまでの生活(食事の過剰、運動不足)が糖尿病の大きな要因となっているので、そこが改善されていなければ、医薬品による治療効果を改められない生活が効果を弱める、場合によっては効果を打ち消しにするようなことにもなりかねないわけです。
アメリカでは、血糖値が高い人、糖尿病の初期段階の人が診察を受けたら、まずは食事療法が指示されます。これによって糖尿病が改善されたら、医薬品を使っての治療と同様の医療費を請求することができます。
そして、指示された食事療法を実施しても効果が出なかった患者には、運動療法が指示されます。その両方を実施しても効果が出なかった患者には、食事療法と運動療法を継続したまま医薬品が処方されます。そのために医薬品の使用量を減らすことができます。
このようなことが可能なのは、アメリカの医療制度が“定額払い”方式だからです。同じ状態の患者には、医薬品を多く使っても、少なく使っても、医薬品を使わずに治療をしても同じだけの医療費が得られる制度となっているからです。
これに対して、日本の制度は“出来高払い”方式で、医薬品を多く使うほど、高額が医薬品を使うほど、医療費がプラスされていって患者の支払い金額が高くなり、医療機関が得られる収入も多くなるという仕組みになっています。
だからこそ、アメリカは食事療法が重要であるというのは医師も患者も同じ認識であり、患者も一生懸命に取り組んでくれるわけですが、日本はといえば、ここで具体的に書くこともないくらいの状態が、ずっと続けられているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






